環境への取り組み

セブン&アイ・フードシステムズでは、セブン&アイグループの環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」に沿って、環境保護や食品ロス削減、省エネルギーなど、様々な課題に対して、フードビジネスという事業を通じて取り組むことで、継続的な環境活動を進めています。

私たちは、国連で定められた持続可能な開発目標(SDGs)に則った取り組みを推進しています。

2030年に向けて世界が合意した「持続可能な開発目標です」

環境方針

基本理念

私たちは、「食を通じてお客さまに喜んでいただく」という目的のもと、企業としての社会的責任を自覚し、環境保全活動に積極的に取り組み、循環型社会の実現と社会の持続的発展に向けて行動してまいります。

環境行動指針

  1. 私たちは、事業活動の中で、環境保護、ロス削減、省エネルギー、資源の有効利用、廃棄物の削減、環境汚染の予防、生物多様性の保護につとめ、企業の責任を果たします。
  2. 私たちは、事業活動に関連する法規制および当社が同意する取り決めを順守し、環境活動の分野ごとに自主的目標を定め、それを年ごとに見直し継続的に改善します。
  3. 私たちは、従業員に対する継続的な環境教育と環境啓発を推進し、意識向上に努め、お客さまや地域社会にその役割を果たします。
  • 2017年3月1日
    株式会社セブン&アイ・フードシステムズ
    代表取締役社長
    小松 雅美

食品ロス削減

食品ロス削減

まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」が、大きな社会課題となっています。セブン&アイ・フードシステムズでは、外食企業の責任において最優先に食べ切りについての取り組みを推進しています。2024年4月末現在、デニーズが出店し「食べきり協力店」制度のある自治体の食品ロス削減の推進店として登録をしています。
また、デニーズでは2019年10月からメニューブックに「少なめライス」を選べるよう明記し、食品ロス削減国民運動の口ゴマークである「ろすのん」を表示しています。
2021年からは、外食時に止むを得ず食べ残してしまった料理を、お客様ご自身の責任で持ち帰る「mottECO(モッテコ)」事業を推進しています。
食べ残し持ち帰りをご要望のお客様に、環境に配慮した素材で作られた専用容器を有料で提供、国のガイドラインに準じて持ち帰っていただくことで、食品廃棄物の削減に貢献しています。セブン&アイ・フードシステムズでは、この取り組みを全国に広げるため、企業・業種の枠を越えたアライアンス「mottECO普及コンソーシアム」を設立し、2024年2月末現在21の団体・1,000店を超える活動に拡大しています。
この取り組みが評価されmottECO普及コンソーシアムは2023年度の「食品ロス削減推進表彰環境大臣賞」を受賞しました。
これからも、お客様と一緒に食品ロスの削減のため、食べきり推進とmottECO普及の活動を継続していきます。

資源循環型社会に向けて①

資源循環型社会に向けて①
三友プラントサービス株式会社 コーヒー豆かすリサイクル工場

59.4%(2022年度実績)の食品リサイクル率を達成

セブン&アイ・フードシステムズでは、食品ロスの発生抑制を最優先で取り組んでいます。メニュー販売精度の向上による在庫の適正化や、店舗での客数計画精度の向上による前準備量の適正化、自動発注の導入等を進めています。
その上で毎日発生する使用済み調理油の100%リサイクルをはじめ、食品残渣の飼料化、肥料化、メタン化など多様な処理に取り組み、政府目標である50%を超える食品リサイクル率を達成しています。
またデニーズ店舗で排出されるコーヒー豆かすを飼料化、その飼料で育てた牛から採れる牛乳を仕入れ、ホワイトソースに加工しメニューとして提供する、という食品リサイクルループを構築し、2022年10月、国から「食品再生利用事業計画」として認定されました。コーヒー豆かすに特化した認定はレストラン事業としては日本初となります。

資源循環型社会に向けて②

資源循環型社会に向けて②

外食5社合同での食品リサイクルループの構築

セブン&アイ・フードシステムズでは、国の再生利用事業計画(食品リサイクルループ)の認定を受け、外食5社合同で食品廃棄物の課題に取り組んでいます。具体的には、名古屋市内のデニーズや参加各社の店舗から排出される食品残渣を飼料化し、契約する養鶏農場で利用、収穫された卵やその製品を合同で仕入れるというスキームを構築しています。外食各社は食品廃棄物の回収効率やリサイクル業者の少なさといった共通の課題を抱えており、合同で取り組むことでその解決を図ります。企業の枠を越えた合同でのリサイクルループ認定は日本初となり、この取り組みだけでもデニーズは年間15トンの食品廃棄物を資源化しています。

資源循環型社会に向けて③

資源循環型社会に向けて③

コーヒー豆かすがコーヒーカップに生まれ変わる!

デニーズは自治体との連携事業「すみだCoffeeloopプロジェクト」に参加しています。墨田区にあるデニーズ3店舗(墨田堤通り店、墨田立花店、錦糸町駅前店)から排出されるコーヒー豆かすを回収し原料化、それをコーヒーカップにアップサイクルし、全店舗で使用しています。回収を墨田区内の福祉作業所に担っていただくことで、多様な就労機会の創出にも貢献します。環境への取り組みを、目に見え、手に取ることができるよう、カップという形にして、お客様や従業員に発信、一人ひとりの行動変化のきっかけとし、社会の環境負荷低減につなげたいと考えています。

資源循環型社会に向けて④

資源循環型社会に向けて④

LIMEXマテリアルリサイクルスキーム

セブン&アイ・フードシステムズでは、石灰石を主原料とする新素材「LIMEX(ライメックス)」で作成したメニューやポスター等を使用後に回収し、ドリンクバー用のトレーとしてデニーズ店舗で再生利用する「資源循環=マテリアルリサイクルスキーム」を構築しました。この取り組みを通じて、限りある水資源の有効活用、石油依存の低減、廃棄物の削減、新たな循環型システムの構築などを図り、持続可能な社会の実現につなげてまいります。

プラスチック問題への取り組み

プラスチック問題への取り組み

デニーズでは、世界的な問題となっている「プラスチックごみ廃棄による海洋や生態系への影響」に配慮すべく、ドリンクバーコーナーのプラスチック製ストローの設置を中止しました。おこさまなどストローのご使用を希望されるお客様には、地球環境にやさしい代替素材の生分解性PLAストローを提供しています。また、山梨県と環境包括連携協定を結び、県産FSC認証材製の紙ストローを、山梨県内と東京の一部のデニーズで導入しています。
テイクアウト等に使用するレジ袋も、バイオマスの素材を90%含んだものに変更しています。

  • PLA:ポリ乳酸。植物由来の生分解性プラスチックで、とうもろこし、イモ類のでんぷんを発酵させて得られる乳酸を元に成形しています。

世界的環境啓発イベントEarthHour(アースアワー)に参加

世界的環境啓発イベントEarthHour(アースアワー)に参加

セブン&アイ・フードシステムズでは、外食・ホテル事業者から成る「Food with Sustainability」というアライアンスを設立し、合同でWWF(世界自然保護基金)主催のEarthHour(アースアワー)に参加しています。外食・ホテルはお客様と直に接する業界で、店舗は社会インフラとして機能しています。サインタワーや看板等の消灯という行為を通じて、お客様に直接環境啓発の発信をし、地球環境問題について考えるきっかけ作りとしています。

  • 毎年3月最終土曜日の20:30からの60分間、世界同時に消灯し、地球温暖化について考える、というWWF主催の世界的環境啓発イベント

ISO14001

ISO14001

環境マネジメントの国際規格をもとに、省エネや廃棄物削減を推進

セブン&アイ・フードシステムズは、2015年に企業環境マネジメントに関する国際規格ISO14001の認証を取得しました。以来、環境に及ぼす影響を最小限にとどめるために店舗と本部において、こまめな消灯や空調の温度管理の徹底など省エネルギーを推進しているほか、廃棄物の削減や資源の有効利用などにも取り組んでいます。

審査機関 財団法人 日本品質保証機構
適用規格 ISO 14001:2015 / JIS Q 14001:2015
登録証番号 JQA-EM7134
登録活動範囲 レストラン運営管理(メニュー開発、仕入、物流管理、設備維持管理)及び店舗での調理・提供サービス
登録事務所 二番町本部、南越谷事務所及びデニーズ店舗一覧
登録日 2015年2月6日
登録改定日 2024年2月6日
有効期限 2027年2月5日

スコープ3の算出

スコープ3の算出
サプライチェーン排出量算定結果

サプライチェーン全体における温室効果ガスの排出量を算出

「スコープ3」とは、サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量のことで、セブン&アイ・フードシステムズは、第三者認証によって評価されたスコープ1、2のデータに加えスコープ3を算出、それによりサプライチェーン全体のCO2排出量を把握し削減することに繋げています。
2016年には首都圏の物流拠点を続合し、全館ノンフロン冷媒の「昭島物流センター」を新設。これによって移動距離や商品保管スペースも削減しています。
また2018年度より、日立製作所と協働し、店舗の電気使用量や設備の稼働状況といったエネルギー使用に係る数値をデータベース化しています。
このデータベースから、各種エネルギーデータの集約・可視化、さらには分析・活用をすることで各店舗における効率的な電力使用を促進するなどの取り組みを進めています。

飲食店で初のエコマーク認定

エコマーク認定書ならびにエコマーク

「デニーズ」全店で飲食店として初めてエコマーク認定を取得

《エコマークについて》
国際標準化機構の規格ISO14024「タイプⅠ環境ラベル制度」に基づく認定制度です。環境への負荷が少ないなど、環境保全に役立つと認められる商品やサービスにつけられています。
認定基準は6つの評価カテゴリーに分けられ、省エネ・節水などの基本的な環境対策に加えて、食材の環境配慮、食品ロス削減に向けた食べ残しが減るような啓発や運動などの消費者の理解を深める取り組みを評価する内容になっています。
これらの基準に対し、高いレベルの取り組みがなされていると認められ、2017年10月20日に飲食店で初めてエコマーク認定店舗が誕生しました。

CO2削減への取り組み①

CO2削減への取り組み①
デニーズ太陽光パネル

セブン&アイ・フードシステムズでは、デニーズ全店での客席照明や駐車場、バックヤードをLEDに切り替え、店舗の空調機などを順次省エネ型のものに切り替えています。
また新店には積極的に太陽光パネルの設置を推進しています。本部では、調理器具や空調設備など環境配慮型にしたテストキッチンを設置しています。これらの取り組みの結果、2030年までに2013年度比で、店舗運営に伴うCO2の排出量50%削減、2050年実質ゼロにというグループ共通目標に対し、2022年度で61.4%の削減を達成しています。

CO2削減への取り組み②

CO2削減への取り組み②

セブン&アイ・フードシステムズでは、植物の成長エネルギーで点灯する未来型の照明「ボタニカルライト」を、株式会社グリーンディスプレイの協力を得て、デニーズ調布店中庭に設置しました。植物発電 botanical light(ボタニカルライト)は、植物と共存する微生物が生命活動をする際に、土や水の中で放出される電子を利用して発電しています。これは植物が育つ土壌や水辺に電極を挿しておくだけで電源がなくても、植物が元気に育つ環境があれば電力を得ることができる未来のエネルギーです。

CO2削減への取り組み③

CO2削減への取り組み③

セブン&アイ・フードシステムズが運営するキッチンカー「なないろ食堂」は、2023年8月より、店内調理に使用するLPガスの燃焼時に発生する温室効果ガスを全量カーボンオフセットしています。これはキッチンカー「なないろ食堂」で調理に使用するLPガスを、富士瓦斯株式会社(東京都世田谷区)が販売する、『フジガス・カーボンニュートラルLPガス』(以下「FCN-LPG」)*1、その中でも山梨県の『やまなし県有林活用温暖化対策プロジェクト *2』により創出したオフセット・クレジット(J-クレジット)*3を用いた『富士山LPG』にすべて切り替えることで、年間約1t のCO2排出量実質ゼロを実現するものです。当該LPガス使用によるカーボンニュートラル化は、キッチンカーとしては国内初の試みとなります。
セブン&アイ・フードシステムズは、2021年5月に、山梨県と『森林及び環境の保全等に関する連携協定書』を締結しています。キッチンカー「なないろ食堂」のLPガスのカーボンニュートラル化も、その協定を背景に山梨県が創出したオフセット・クレジットを用いた取り組みとしたものです。

  • 1:フジガス・カーボンニュートラル LPガス(FCN-LPG)とは、LPガスの消費(燃焼)において発生する温室効果ガスについて、カーボンクレジットを用いてオフセットしたものです。
  • 2:山梨県は、国際的な森林管理認証の原則により、県有林の管理経営を行っています。本プロジェクトは、その一環として、県有林で実施した間伐によるCO₂の吸収量について、環境省のJ-クレジット制度に基づき、クレジット化しています。そのクレジットの売却による収益を活用し、更に“環境の保全”や“生物多様性の確保”に配慮した持続可能な森林経営等を推進しています。
  • 3:環境省のオフセット・クレジット(J-クレジット)制度に基づいて発行される、国内における自主的な温室効果ガス排出削減・吸収プロジェクトから生じた排出削減・吸収量を指します。信頼性の高い国産のクレジットとしてカーボンオフセットに用いることが出来ます。

社員への環境啓発

社員への環境啓発
エコ検定に合格した従業員たち

「エコ検定」の取得を奨励しています

「セブン&アイHLDGS.企業行動指針」において「一人ひとりが地球環境の保全の重要性を理解し、日常生活において環境負荷の低減に取り組むように、環境意識向上を図ります」と約束をしています。
セブン&アイ・フードシステムズは、社員に環境問題を“自分ごと”として向き合ってもらうために環境社会検定試験(eco検定)の受験を推奨しています。2024年4月現在1,209名が合格しています。
また、2022年より、毎年外部講師を招いて社員向けの環境講座を開催し、継続的な環境啓発と環境教育を推進しています。